暈しとは?
ぼかし
暈しとは、色の濃淡や色調を境界なく徐々に変化させる染色・絵画技法で、ぼかしとも呼ばれる日本の伝統的な表現手法です。
暈し(ぼかし)とは、一つの色が別の色や無色へと境界線を作らず、じわりと溶け込むように移行させる染色・絵画・版画などの技法のことです。「暈」の字には「かさ(月や太陽の周りにできる輪)」「ぼかす」といった意味があり、明確な輪郭を持たず色が滲み広がるような表現を指します。
染色における暈しは、着物や帯の地色を一色に染め上げるのではなく、上から下へ、あるいは端から中心へと色が変化するように染める技法です。代表的な技法として次のものがあります。
- 引き染め(はけ引き):刷毛で染料を塗り重ねながら色を移行させる
- 浸し染め:染料液の濃度差を利用して色の濃淡を作る
- ろうけつ染め:蝋で防染しながらぼかしを加える
日本画においても暈しは重要な技法で、水墨画では墨の濃淡を滲ませることで雲・霞・水面などの自然の情景を表現します。また、浮世絵の摺物(すりもの)でも「ぼかし摺り」として知られる技法が発展し、空や水の表現に独特の詩情を与えてきました。
現代では着物の地染めに暈しが多用されており、春の霞や夕暮れの空を思わせる繊細なグラデーションは、日本の美意識を象徴する表現として高く評価されています。
使い方・例文
振袖や訪問着の地染めで、裾が濃く上に行くにつれて淡くなるような色の変化が暈し(ぼかし)です。日本画では墨のぼかしで霞や雲を表現する際に用いられます。
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