唯名論とは?
ゆいめいろん
唯名論とは、普遍的な概念(類・種など)は実在せず、存在するのは個別的な事物だけであり、普遍は名前にすぎないと主張する哲学の立場です。
唯名論(ゆいめいろん、nominalism)とは、「赤さ」「人間性」「三角形」といった普遍概念(ユニバーサル)は独立した実体として存在せず、個々の具体的な事物だけが実在すると主張する哲学的立場です。普遍概念はあくまで人間が便宜上用いる「名前(nomen)」にすぎないと考えます。
唯名論は中世哲学における「普遍論争」(普遍は実在するか否かという논쟁)の一方の立場として発展しました。対立するのは実念論(リアリズム)で、「普遍は実在する」と主張します。
唯名論の主な論者と立場は次の通りです。
- ロスケリヌス(11世紀):普遍はただの音声にすぎないと主張した初期の唯名論者
- オッカムのウィリアム(14世紀):「必要以上に実体を増やすな(オッカムの剃刀)」を原則に唯名論を徹底した
- 近現代の唯名論:クワインやグッドマンらが分析哲学の文脈で唯名論を再検討
唯名論的発想は、抽象的な実体の存在を最小限にしようとする経験主義・実証主義と親和性が高く、自然科学の方法論的基盤にも影響を与えています。一方で数学的対象の存在をめぐる哲学議論では今も実念論との対立が続きます。
使い方・例文
「犬というものが実在するのではなく、ポチやシロといった個々の犬だけが実在し、『犬』はそれらをまとめるための名前にすぎない」という考え方が、唯名論の典型的な主張です。哲学史や論理学の入門書で必ず登場します。
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