内在的価値とは?
ないざいてきかち
内在的価値とは、他の何かへの手段としてではなく、それ自体に備わっているとされる固有の価値のことです。
内在的価値(intrinsic value)とは、何かが他の目的を達成するための手段として有用だから価値があるのではなく、それ自身の性質に由来してそれ自体として価値を持つという概念です。「本来的価値」「固有価値」とも訳されます。これに対して、ある目的に役立つゆえに生じる価値は道具的価値(手段的価値)と呼ばれます。
哲学における内在的価値の議論は古代ギリシャ哲学にまでさかのぼります。アリストテレスは「それ自体のために求められるもの」として幸福(エウダイモニア)を最高善と位置づけました。近代倫理学では、カントが人格の尊厳を手段としてではなく目的として扱うべきだと主張し、内在的価値の重要な論拠を提供しました。
内在的価値が問題になる主な文脈には次のものがあります。
- 倫理学:人間の生命・自由・幸福は内在的価値を持つという権利論
- 環境倫理学:自然・生態系・動物は人間にとって有用かどうかに関わらず価値があるという主張
- 美学:芸術作品は鑑賞者に与える効用とは独立して固有の価値を持つか
- 経済学:株式の内在価値(本質的価値)は市場価格とは別に企業の本質から算出されるもの
内在的価値の概念は、何を保護し優先すべきかという社会的・政策的議論の根拠としても機能しており、環境保護や動物福祉、人権擁護の分野で今日も活発に論じられています。
使い方・例文
「野生動物は人間に利益をもたらすかどうかに関わらず、内在的価値を持つとして保護されるべきだ」という議論の中で用いられます。
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