全能のパラドックスとは?
ぜんのうのぱらどっくす
「パラドックス」の用語まとめを見る全能のパラドックスとは、「全能の存在は自分でも動かせない石を作れるか」という問いに代表される、全能という概念が自己矛盾をはらむとする哲学的な逆説です。
全能のパラドックスとは、「全能(どんなことでも行える能力)」という概念が論理的な矛盾を含むかどうかを問う哲学的議論です。宗教哲学や論理学の分野で古くから議論されてきました。
最も広く知られる定式化は「全能の神は、自分でも持ち上げられないほど重い石を作ることができるか」というものです。
- 作れるとしたら:その石を神自身が持ち上げられないのだから、神は全能ではない。
- 作れないとしたら:作れないものがあるのだから、神は全能ではない。
どちらに答えても全能性が否定されるため、「全能」という概念自体が矛盾するという結論が導かれます。
これに対する哲学的・神学的な反論としては次のようなものがあります。
- 論理的矛盾の排除:全能とは「論理的に可能なあらゆることができる」ことであり、論理的矛盾(自己言及的な不可能)は全能の範囲外だとする考え方。
- 全能の再定義:全能を「何らかの意味で最高の力を持つ」と緩やかに定義し直す立場。
- 超越的存在としての神:神は人間の論理に縛られないとする神学的立場。
全能のパラドックスは、神の存在証明や宗教哲学にとどまらず、論理・言語・概念の限界を探る普遍的な思考実験として今も重要です。
使い方・例文
「神は自分が破れない壁と、その壁を破れる槍を同時に作れるか」というような形でも語られ、宗教学や哲学の授業で思考実験の入門として取り上げられることが多い問いです。
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