作用量とは?
さようりょう
作用量とは、物体の運動を記述するラグランジアンを時間で積分した物理量で、最小作用の原理によって自然界の運動法則を導く中心的な概念です。
作用量(action)は、物理系のラグランジアン L(運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの差)を時間 t に沿って積分した量で、S = ∫L dt と表されます。単位はジュール・秒(J·s)、または運動量×距離(kg·m²/s)です。
最小作用の原理(ハミルトンの原理)によれば、「物体は始点から終点まで動く際に作用量が極値(通常は最小値)となる経路を選ぶ」とされます。この原理からオイラー・ラグランジュ方程式が導かれ、ニュートンの運動方程式とまったく等価な運動法則を得ることができます。つまりニュートン力学をより抽象的・統一的に記述する枠組みが作用量を通じて確立されます。
作用量の重要性はその適用範囲の広さにあります。
- 古典力学:ニュートン方程式の別定式化(解析力学)
- 電磁気学:マクスウェル方程式をラグランジアン形式で導出
- 一般相対性理論:アインシュタイン方程式をヒルベルト作用量から導出
- 量子力学:ファインマンの経路積分では、すべての経路の作用量の位相を足し上げて遷移振幅を計算
量子論では作用量がプランク定数 ℏ(≈1.055×10⁻³⁴ J·s)と同じ次元をもつことが重要で、作用量がℏに比べて大きい極限が古典的な運動に対応します。物理学において「なぜ自然はそのように動くのか」を問う際の基礎的な柱となっている概念です。
使い方・例文
惑星の軌道計算や光の屈折経路など、作用量が最小になる経路を探すことで自然界の多様な運動が一本の原理から説明されます。
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