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リチャードソン・ダシュマンの式とは?

りちゃーどそん・だしゅまんのしき

リチャードソン・ダシュマンの式とは、金属表面から熱によって放出される電子(熱電子)の電流密度を温度の関数として表す方程式です。

リチャードソン・ダシュマンの式(Richardson-Dushman equation)は、熱電子放出(サーミオニックエミッション)の理論的な定式化として知られています。イギリス物理学者オーウェン・リチャードソンが1901年に基礎を築き、サウル・ダシュマンが量子力学的補正を加えて完成させました。

式の骨格は「電流密度=定数×絶対温度の二乗×仕事関数のボルツマン因子(指数関数)」という形をとります。つまり、金属を高温にするほど、そして仕事関数(電子が金属表面から脱出するのに必要なエネルギー)が小さいほど、多くの電子が放出されます。

主な応用分野は次のとおりです。

  • 真空管・ブラウン管の陰極設計
  • 電子顕微鏡の電子銃(タングステンフィラメントなど)
  • X線管の電子源
  • 宇宙・産業用の熱電子発電デバイス

現代では半導体素子が主流となった一方、高輝度電子ビームを必要とする分析機器や加速器の電子源では今も熱電子放出が使われており、この式は設計の基礎計算として活用されています。リチャードソンはこの業績により1928年にノーベル物理学賞を受賞しました。

使い方・例文

「電子顕微鏡のタングステン陰極が劣化したため、リチャードソン・ダシュマンの式で放出電流を試算して交換時期を見極めた」のように、電子源の性能評価や設計計算の場面で用いられます。

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