マルティン・ブーバーとは?
まるてぃんぶーばー
マルティン・ブーバーはオーストリア出身のユダヤ人哲学者で、「我と汝(Ich und Du)」という対話の哲学を提唱し、20世紀の宗教哲学・実存主義に大きな影響を与えました。
マルティン・ブーバー(Martin Buber、1878〜1965年)はウィーン生まれのユダヤ系哲学者・思想家です。ベルリン大学やウィーン大学で哲学・芸術史を学び、フランクフルト大学教授を経て、ナチス台頭後はパレスチナ(現イスラエル)に移住しヘブライ大学教授を務めました。
ブーバーの哲学の中心は対話の哲学、とりわけ1923年に発表した主著『我と汝(Ich und Du)』に示された思想です。彼は人間の関係を二種類に分けました。
- 我・汝(Ich-Du)関係:相手をそれ自体として尊重し、全人格で向き合う真の対話的関係
- 我・それ(Ich-Es)関係:相手を手段・客体として扱う道具的な関係
近代社会は「我・それ」関係が支配的になり、人間の疎外が進んでいると彼は批判しました。真の人間的実存は「我・汝」関係、すなわち他者との本物の出会いと対話の中にこそあると説いたのです。この考えは神との関係にも及び、神を「永遠の汝」として捉える独自の宗教哲学を展開しました。
ブーバーの思想は教育学、心理療法、社会学、宗教間対話など幅広い分野に影響を与え、「出会い」の哲学として今も参照されています。
使い方・例文
「ブーバーの『我と汝』の概念は、カウンセリングや教育の現場で、相手を手段としてではなく一個の人格として向き合うことの重要性を説明するために引用される」というように使われます。
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