ポストコロニアル批評とは?
ぽすところにあるひひょう
ポストコロニアル批評とは、植民地支配の歴史が文学・文化・社会に与えた影響を批判的に分析する学問的アプローチです。
ポストコロニアル批評(ポストコロニアリズム)は、ヨーロッパによるアジア・アフリカ・中南米などへの植民地支配が、文学・芸術・言語・アイデンティティ・知の体系にどのような影響を及ぼしたかを問い直す批評理論です。20世紀後半、植民地独立の波が広がる中で理論的に発展しました。
理論の出発点としてよく挙げられるのが、エドワード・サイードの著作『オリエンタリズム』(1978年)です。サイードは、西洋が「東洋」を他者として表象し、その表象によって支配を正当化してきたことを示しました。続いてホミ・バーバの「ハイブリディティ」やガヤトリ・スピヴァクの「サバルタン」概念など、植民地化された側の語りにくさや文化的混淆を分析する概念が蓄積されていきました。
ポストコロニアル批評が問う主なテーマには以下があります。
- 植民地宗主国の言語で書かれた文学における権力関係
- 「野蛮」と「文明」の二項対立が植民地支配を正当化してきた構造
- 独立後も続く経済的・文化的な従属関係(ネオコロニアリズム)
- ディアスポラ(離散した民族)のアイデンティティ形成
現代では文学批評にとどまらず、歴史学・社会学・人類学・美術批評など幅広い分野に応用されており、「誰の視点から語られているか」を問う重要な視座を提供しています。
使い方・例文
『闇の奥』(コンラッド)や『ロビンソン・クルーソー』を植民地主義の眼差しから読み解く授業で、ポストコロニアル批評の手法が用いられます。
この用語をシェア
最終更新: