本文へスキップ

フィロキセラとは?

ふぃろきせら

フィロキセラとは、ブドウの根を食害して枯死させる害虫で、19世紀にヨーロッパのブドウ畑を壊滅させ、ワイン産業に大打撃を与えた昆虫です。

フィロキセラ(Phylloxera、学名:Daktulosphaira vitifoliae)は、アブラムシの仲間に分類される微小な昆虫です。北アメリカ原産で、ブドウの根や葉に寄生してコブ(虫こぶ)を形成し、最終的には植物を枯死させます。ワインの歴史において最大の危機をもたらした害虫として知られています。

19世紀後半、フィロキセラは輸入されたアメリカ系ブドウ苗とともにヨーロッパに持ち込まれました。ヨーロッパの在来品種(Vitis vinifera)はフィロキセラへの耐性を持たなかったため、フランスをはじめイタリア・スペイン・ドイツなど主要産地のブドウ畑が次々と壊滅し、広大な畑が失われました。

解決策として採用されたのが「接ぎ木(つぎき)」です。フィロキセラへの耐性を持つアメリカ系のブドウ(台木)にヨーロッパ系ブドウ(穂木)を接ぎ木することで、根はアメリカ系・果実はヨーロッパ系という構成で栽培が再開されました。現在、世界のほぼすべてのブドウ畑でこの接ぎ木苗が使われています。

フィロキセラの影響を受けていない「未接ぎ木ブドウ(アン・グレフェ)」から造られるワインは希少価値が高く、チリや一部の砂地土壌の産地(フィロキセラが砂地に定着しにくいため)でのみ存在します。

使い方・例文

ワインの産地説明で「フィロキセラ禍を経て台木への接ぎ木が普及した」と語られる際、この害虫が近代ワイン産業の構造を根本から変えた歴史的事件として紹介されます。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語