テクスト間性とは?
てくすとかんせい
テクスト間性とは、あるテクストが他のテクストを引用・参照・変容することで成立する、テクスト同士の相互関係性を指す文学・批評理論の概念です。
テクスト間性(インターテクスチュアリティ、intertextuality)とは、あらゆるテクスト(文章・作品)は孤立して存在するのではなく、先行するテクストや同時代の他のテクストを参照・引用・模倣・変容することで成り立っているという考え方、およびそうしたテクスト同士の関係性を指す概念です。フランスの批評家ジュリア・クリステヴァが1960年代にミハイル・バフチンの対話性理論を援用しながら提唱しました。
テクスト間性が現れる主な形式には以下のものがあります。
- 引用:他テクストの一部を明示的に取り込む
- パロディ:元のテクストを模倣しながら変容・批評する
- パスティーシュ:特定の作家や作品のスタイルを模倣する
- アリュージョン(典拠):他テクストへの暗示的な言及
- 翻案:元のテクストを別の形式・文脈に置き換える
この概念は、作品の意味が作者の意図だけでなく、読者が持つ他のテクストの知識との相互作用によって生まれるという読解の能動性を示しています。ロラン・バルトの「作者の死」論とも深く結びついており、現代文学理論・記号論・文化研究において中心的な概念の一つとなっています。
具体的には、ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」がホメロスの「オデュッセイア」を下敷きにしている関係や、映画・音楽・広告における他作品の引用・オマージュなども、テクスト間性の現れとして分析されます。
使い方・例文
文学批評や現代思想の授業で、「この小説はシェイクスピアを随所に引用しており、テクスト間性の観点から読むと意味が豊かに広がる」というように使われます。
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