ダイグロシアとは?
だいぐろしあ
ダイグロシアとは、同一の言語共同体内で「高位変種」と「低位変種」の二つの言語変種が社会的場面に応じて使い分けられる状況を指す社会言語学の概念です。
ダイグロシア(diglossia)は、社会言語学者チャールズ・ファーガスン(Charles Ferguson)が1959年に提唱した概念で、一つの言語共同体において機能的に異なる二つの言語変種が共存し、場面によって使い分けられる状況を指します。ギリシャ語の「di(二つ)」と「glōssa(言語・舌)」に由来します。
ダイグロシアの特徴は、二つの変種に明確な社会的序列があることです。
- 高位変種(H変種):行政文書・宗教・教育・文学・改まった公式の場で使われる権威ある変種
- 低位変種(L変種):家庭・友人間・日常会話など非公式な場で使われる口語的な変種
古典的な例として挙げられるのが、アラビア語圏です。コーランやニュースで使われる「フスハー(古典アラビア語)」がH変種、日常会話で使われる各地の「アーンミーヤ(口語アラビア語)」がL変種にあたります。スイスのドイツ語圏(標準ドイツ語とスイスドイツ語方言)やギリシャ(カサレブサとデモティキ)なども古典的事例です。
後にファーガスンの概念はジョシュア・フィッシュマンらによって拡張され、異なる二つの言語が同様の機能分担をする場合(例:パラグアイにおけるスペイン語とグアラニー語)にも適用されるようになりました。日本では書き言葉と話し言葉の乖離がダイグロシア的状況として論じられることがあります。
使い方・例文
「アラビア語圏ではニュース放送には古典アラビア語が使われ、近所との会話には口語アラビア語が使われるというダイグロシアの状況が今も続いています。」
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