ソール・クリプキとは?
そーるくりぷき
ソール・クリプキは20世紀を代表するアメリカの哲学者・論理学者で、様相論理の意味論と「固定指示子」の概念によって分析哲学に革命をもたらしました。
ソール・クリプキ(1940年〜2022年)はアメリカ生まれの哲学者・論理学者で、ニューヨーク市立大学などで長年研究・教育に携わりました。10代の頃にすでに様相論理の意味論に関する重要な業績を発表したことで知られ、天才的な才能を早くから発揮した人物です。
彼の最も重要な業績のひとつは、様相論理(可能性や必然性を扱う論理)に対する「クリプキ意味論」(可能世界意味論)の構築です。この枠組みは現代論理学・哲学全体に広く使われるようになりました。
哲学的には、1970年の連続講義をまとめた著作『名指しと必然性』が最も影響力を持ちます。この中で彼は「固定指示子」という概念を提唱しました。固定指示子とは、どの可能世界においても同一の対象を指示する表現のことで、固有名詞や自然種の名称はこれにあたると論じました。たとえば「ヘスペルス(宵の明星)」と「フォスフォルス(明けの明星)」はともに金星を固定的に指示し、それが同一天体であることは経験的発見であるにもかかわらず必然的な真理だと主張しました。
さらにクリプキは意味の因果説的歴史説を展開し、名前の意味が言語共同体における歴史的な因果連鎖によって決まるという考え方を示しました。この議論は言語哲学・形而上学に深大な影響を与えています。
使い方・例文
分析哲学や言語哲学の文献において「クリプキは固有名詞は記述の束ではなく固定指示子だと論じた」という形で頻繁に引用されます。
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