オニノヤガラとは?
おにのやがら
オニノヤガラとは、日本の山野に自生するラン科の多年草で、葉緑素を持たず菌類に完全に依存して生きる腐生植物(菌従属栄養植物)です。
オニノヤガラ(鬼の矢柄、学名:Gastrodia elata)は、ラン科オニノヤガラ属に属する多年草の植物です。葉緑素(クロロフィル)を持たないため光合成を行わず、土壌中の菌類(ナラタケなど)との共生関係に完全に依存して栄養を得る「腐生植物(菌従属栄養植物)」の代表種として知られています。
地上部に葉は存在せず、春から夏にかけて茎(花茎)だけが地面から伸び上がります。茎は黄褐色〜黄色で、高さは1メートル前後に達することもあります。茎の先端に穂状に並んだ筒形の花が多数咲きますが、地味な黄褐色で目立たない外観です。地下には塊茎(球根状の肥大した茎)があり、これが根の代わりに菌類と結びついています。
日本では北海道から九州まで広く分布するほか、中国・朝鮮半島・東南アジアにも分布します。落葉広葉樹林や針葉樹林の林床に生え、腐植土の多い場所を好みます。
オニノヤガラの地下塊茎は漢方・生薬として「天麻(てんま)」と呼ばれ、古くから頭痛・めまい・けいれんなどの治療に用いられてきました。成分としてガストロジン(p-ヒドロキシベンジルアルコール配糖体)などが含まれ、現代でも生薬として利用されています。近年は天麻の需要が高まる一方、自然環境での個体数は少なく、人工栽培の研究も進められています。
使い方・例文
「オニノヤガラは葉もなく光合成もせず、菌類の力だけで育つ不思議な植物だ」のように植物の進化や生態を解説する場面で登場します。漢方の「天麻」を説明する文脈でもその原植物として紹介されます。
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