エンリコ・ベルリンゲルとは?
えんりこべるりんげる
エンリコ・ベルリンゲルとは、イタリア共産党を率いてソ連と距離を置く「ユーロコミュニズム」を推進した20世紀の著名な政治家です。
エンリコ・ベルリンゲル(Enrico Berlinguer、1922〜1984年)は、イタリアのサルデーニャ島出身の政治家で、イタリア共産党(PCI)書記長として長年にわたりイタリア左翼政治をリードした人物です。貴族的な家系の出身でありながら若くして共産主義運動に身を投じ、党内で着実に地位を築きました。
ベルリンゲルが歴史的に評価される最大の理由は、ソ連や中国とは一線を画す独自の共産主義路線「ユーロコミュニズム」を提唱・実践したことです。1970年代、ソ連のブレジネフ・ドクトリンや軍事介入(チェコスロバキアへの侵攻)を公然と批判し、西欧民主主義の枠組みの中での社会変革を目指す立場を明確にしました。
彼の政治的立場の特徴は以下の通りです。
- 議会民主主義の尊重と複数政党制の維持
- NATO加盟国であるイタリアのイタリア共産党として安全保障面での現実路線
- キリスト教民主党との「歴史的妥協」政策による安定的連立の模索
- 反腐敗・市民道徳の強調(「道徳問題」演説)
1984年、遊説中の演説で脳卒中に倒れ、4日後に死去しました。その死には100万人を超える市民が弔問に駆けつけたといわれ、政治的立場を超えて広く国民に愛された指導者であったことを物語っています。ソ連崩壊後の世界においても、彼のユーロコミュニズムは左翼政治の再定義として研究・評価されています。
使い方・例文
「エンリコ・ベルリンゲルはソ連とは異なる民主的共産主義を掲げ、イタリア政治史における最も影響力ある左翼指導者の一人と評価される」というように、冷戦期の欧州左翼政治や共産主義の変容を論じる際に登場します。
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