エリック・フロムとは?
えりっくふろむ
エリック・フロムとは、フロイトの精神分析とマルクスの社会理論を統合し、現代社会における「愛の技術」や人間の自由の問題を深く考察したドイツ出身の社会心理学者・哲学者です。
エーリッヒ・フロム(1900〜1980年)は、ドイツ・フランクフルト出身の精神分析家・社会心理学者・哲学者です。フランクフルト大学で社会学・心理学を学んだ後、ベルリン精神分析研究所でフロイト派の精神分析を修め、フランクフルト社会研究所(批判理論の拠点として知られる「フランクフルト学派」)と関わりながら独自の思想を発展させました。ナチス政権の成立を受けてアメリカに亡命し、以後はコロンビア大学、ベニントン大学などで研究・教育活動を続けました。
フロムの中心的なテーマは「自由の逃走」です。主著『自由からの逃走』(1941年)では、近代における政治的・経済的自由の拡大が、かえって人間を根無し草的な孤独と不安に追い込み、ファシズムや権威主義への服従を生み出すメカニズムを精神分析的に分析しました。この分析はナチズムの台頭を人間心理の面から解明したものとして広く読まれています。
また『愛するということ』(1956年)では、愛を受け身の感情としてではなく、能動的に習得すべき「技術」として捉え直し、大きな反響を呼びました。その他の主要な概念・著作には以下のものがあります。
- 「権威主義的性格」――権力に服従しつつ弱者を支配する心理構造
- 『健全な社会』――疎外された消費社会への批判と人道主義的社会主義の提言
- 「存在様式と所有様式」――『生きるということ』での消費主義批判
フロムの思想は精神分析・社会学・哲学・倫理学を横断し、現代社会を生きる人間のあり方への問いかけとして今日もなお広く読まれています。
使い方・例文
「なぜ人は権威主義に従うのか」「愛とは何か」といった問いを考察する哲学や心理学の文脈でエリック・フロムの名前と著作が引用されます。
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