ウォーバーグ効果とは?
うぉーばーぐこうか
「効果」の用語まとめを見るウォーバーグ効果とは、がん細胞が酸素の有無にかかわらず解糖系を優先してエネルギーを得る現象で、腫瘍の増殖・診断・治療と深く関わる代謝的特徴です。
ウォーバーグ効果(Warburg effect)は、1920年代にドイツの生化学者オットー・ワールブルクが発見したがん細胞の代謝特性です。正常細胞は酸素が十分あれば解糖系で産生したピルビン酸をミトコンドリアのTCA回路・酸化的リン酸化で効率よくATPに変換しますが、がん細胞は酸素が存在しても解糖系を活発に使い、乳酸を大量に産生します(好気的解糖)。
解糖系は1分子のグルコースから2分子のATPしか産生しないのに対し、酸化的リン酸化では最大約30〜32分子のATPが得られます。それでもがん細胞が解糖を選ぶ理由は複数の仮説が提唱されています。
- 生合成の優先:急速な増殖に必要な核酸・脂質・アミノ酸の炭素源を解糖系中間体から供給できる
- ミトコンドリア機能不全:酸化的リン酸化が十分に機能しない状態への適応
- シグナル伝達との連携:低酸素誘導因子(HIF)やoncogene(Myc・Rasなど)が解糖酵素の発現を誘導する
ウォーバーグ効果の実用的応用として最も重要なのがPETスキャン(FDG-PET)です。がん細胞はグルコースを大量に取り込むため、放射性フッ素標識グルコース(¹⁸F-FDG)が腫瘍に集積し、画像上で可視化できます。また、解糖系酵素やラクテートトランスポーター(MCT)はがん治療の標的として研究が進んでいます。
使い方・例文
がんの転移の有無を調べるPET検査では、ウォーバーグ効果によってがん細胞が大量にグルコースを取り込む性質を利用して、腫瘍の位置を画像で検出します。
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