インスリン分泌不全とは?
いんすりんぶんぴつふぜん
膵臓のβ細胞が十分なインスリンを産生・分泌できなくなった状態で、血糖値の上昇を招きます。
インスリン分泌不全とは、膵臓に存在するランゲルハンス島のβ細胞が、血糖値を正常に保つために必要な量のインスリンを合成・分泌できなくなった病態を指します。健康な状態では、食事で血糖値が上昇するとβ細胞が素早くインスリンを分泌し、細胞へのグルコース取り込みを促進して血糖値を下げます。
インスリン分泌不全が生じる主な原因としては以下が挙げられます。
- 2型糖尿病の進展による慢性的なβ細胞機能低下
- 自己免疫機序によるβ細胞の破壊(1型糖尿病)
- 慢性膵炎や膵臓手術によるβ細胞数の減少
- 遺伝的素因による先天的なインスリン合成異常
2型糖尿病では、初期段階ではインスリン抵抗性が主体ですが、病状が進行するにつれてβ細胞そのものが疲弊・減少し、分泌不全が加わります。インスリン分泌不全があると、食後の血糖スパイクが収束しにくくなり、高血糖状態が持続して血管障害・神経障害・腎障害などの合併症リスクが高まります。
治療には、残存するβ細胞機能を温存しながら血糖管理を行うことが重視され、インスリン製剤の補充やGLP-1受容体作動薬・DPP-4阻害薬などの薬物療法が活用されます。早期発見と適切な介入が合併症予防の鍵です。
使い方・例文
健康診断でHbA1cが高く、追加検査でCペプチド(インスリン分泌能の指標)が低値と判明した場合、インスリン分泌不全が疑われ、インスリン療法の開始が検討されます。
この用語をシェア
最終更新: