アレットとは?
あれーと
複数の圏谷(カール)が背中合わせに侵食されてできた刃のように鋭く細い岩の尾根で、アルプスなど氷河地形の代表的な特徴です。
アレット(arête)とは、氷河による侵食作用によって形成された鋭い岩稜(がんりょう)のことです。フランス語で「とげ」や「背骨」を意味するこの語は、氷河地形学の国際的な専門用語としても広く使われています。
アレットの形成過程は以下のように進みます。まず斜面の複数箇所に雪が積もり、圏谷(カール)と呼ばれるスプーン状のくぼ地が氷河によって掘り込まれます。隣り合う圏谷が互いに向かい合って侵食を続けると、その間の尾根部分が両側から削り取られ、やがて刃のように細く鋭い岩稜として残ります。これがアレットです。
アレットの特徴として挙げられる点は次の通りです。
- 断面がV字型またはナイフエッジ状に鋭い
- 両側に圏谷(カール)が存在する
- 岩壁には霜の膨張(凍結破砕)によるギザギザが多い
- アルプスのような高山帯や極地の山岳地帯に多く見られる
三つ以上のカールが一点に集まって侵食されると、アレットがさらに尖った孤立峰「ホルン(horn)」を形成します。スイスのマッターホルンはその典型例です。アレットは登山家にとって技術的な難所となる一方、氷河地形の教科書的な事例として地理・地学教育でも頻繁に取り上げられます。
使い方・例文
「アルプス山脈ではアレットが連なる稜線を登山者が縦走することがあり、その両側に広がるカールの景観が絶景として知られている。」
この用語をシェア
最終更新: