アウグスティヌスとは?
あうぐすてぃぬす
アウグスティヌスとは、4〜5世紀の北アフリカ出身のキリスト教神学者・哲学者で、「原罪」「恩寵」「神の国」などの概念を体系化し、中世キリスト教神学の礎を築いた最重要の教父の一人です。
アウレリウス・アウグスティヌス(Aurelius Augustinus、354〜430年)は、現在のアルジェリアにあたるタガステに生まれました。母モニカの熱心なキリスト教信仰に影響を受けながらも、青年期はマニ教に傾倒し、放蕩的な生活を送りました。その後、ミラノでアンブロシウス司教の説教に感銘を受け、387年に洗礼を受けてキリスト教に回心します。後に北アフリカのヒッポ・レギウスの司教となり、生涯にわたって神学・哲学的著述を続けました。
アウグスティヌスの代表作は2つです。
- 『告白録(コンフェッシオネス)』:回心に至る自身の精神的遍歴を神への祈りの形式で綴った自伝的著作。西洋文学における内省的自伝の先駆けとされます。
- 『神の国(デ・キウィタテ・デイ)』:「神の国」と「地の国」の二つの共同体の歴史的対立を論じた大著。歴史哲学・政治哲学の原典としても重要です。
神学的には、原罪論(アダムの罪が人類に遺伝するという考え)と恩寵論(救済は人間の努力でなく神の恵みによる)を明確に定式化し、自由意志と神の摂理の関係を深く探究しました。これらの議論はペラギウスとの論争を通じてより精密化されました。
アウグスティヌスの思想はトマス・アクィナス以降のスコラ哲学、プロテスタント宗教改革(特にルターとカルヴァン)、さらに現代の倫理学・政治哲学にいたるまで広範な影響を及ぼし続けています。
使い方・例文
「宗教改革の神学論争でルターが依拠した『恩寵による救済』の概念は、アウグスティヌスの神学に直接その根拠を持つ」といった文脈や、哲学史の中世思想の授業で必ず登場します。
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