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髄鞘とは?

ずいしょう

髄鞘とは、神経細胞軸索を覆う絶縁性の膜構造で、神経信号の伝達速度を大幅に高める役割を持ちます。

髄鞘(ずいしょう)とは、神経細胞ニューロン)の軸索(じくさく)を取り巻くように形成された、脂質を多く含む絶縁性の被膜構造です。英語では「myelin sheath(ミエリン鞘)」とも呼ばれます。この白色のミエリンが豊富な神経が集まる領域が脳の「白質」と呼ばれます。

髄鞘はグリア細胞の一種であるシュワン細胞(末梢神経系)またはオリゴデンドロサイト(中枢神経系)が軸索に巻きつくことで形成されます。髄鞘で覆われた軸索(有髄線維)では、電気信号が髄鞘のない「ランヴィエの絞輪」と呼ばれる部分を飛び越えるように伝わる「跳躍伝導」が生じます。これにより神経信号の伝達速度が裸の軸索(無髄線維)より数十倍以上速くなり、最大で毎秒100mを超えることもあります。

髄鞘の主な機能と特徴は以下のとおりです。

  • 電気的絶縁体として信号の漏れを防ぐ
  • 跳躍伝導により信号の伝達速度を飛躍的に高める
  • 軸索を物理的に保護する
  • 神経信号のエネルギー消費を抑える

髄鞘は発達過程で徐々に形成され、乳幼児期から青年期にかけて成熟します(髄鞘化)。髄鞘が障害される疾患として代表的なのが多発性硬化症(MS)で、免疫系が誤って髄鞘を攻撃することで様々な神経症状が現れます。髄鞘の研究は神経疾患の治療法開発において重要な分野です。

使い方・例文

「多発性硬化症では免疫細胞が髄鞘を破壊することで神経信号の伝達が遅くなり、運動障害や視力障害が生じる」というように、神経科学や医療の説明で登場します。

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