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ミエリン鞘とは?

みえりんしょう

ミエリン鞘とは、神経細胞の軸索を何重にも取り巻く脂質に富んだ絶縁性の鞘で、神経信号の高速・効率的な伝導を実現する構造です。

ミエリン鞘(Myelin sheath)は、神経細胞ニューロン)の軸索(アクソン)を螺旋状に多重に巻いて覆う、脂質とタンパク質からなる絶縁性の層状構造です。中枢神経ではオリゴデンドロサイト、末梢神経ではシュワン細胞と呼ばれるグリア細胞がその細胞膜を何十層にも巻きつけることで形成されます。

跳躍伝導のメカニズム:ミエリン鞘は電気的絶縁体として機能し、軸索全体での連続的なイオン移動を防ぎます。ミエリン鞘に覆われていない「ランヴィエ絞輪」という節の間隔を電気信号が「飛び越える」ように伝わる跳躍伝導が起こります。この仕組みにより、神経信号の伝導速度はミエリンのない神経線維(約0.5〜2m/秒)に比べ、ミエリン鞘のある神経線維では最大で約70〜120m/秒にも達します。

発達と疾患:ミエリン鞘は出生後も成長・成熟が続き、特に幼少期に活発に形成されます。多発性硬化症(MS)では免疫系が誤ってミエリン鞘を攻撃し、脱髄が起こることで運動・感覚・視覚などの神経機能が障害されます。ギラン・バレー症候群も末梢神経の脱髄が主因です。

意義:ミエリン鞘の発達はヒトの高度な脳機能の基盤ともなっており、神経科学・神経疾患研究において重要な対象です。

使い方・例文

手を火に近づけたとき瞬時に引っ込められるのは、ミエリン鞘による跳躍伝導で痛覚信号が高速に脳へ届くからです。多発性硬化症ではこのミエリン鞘が壊れ、信号伝達が乱れることで多様な神経症状が現れます。

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