能格言語とは?
のうかくげんご
自動詞の主語と他動詞の目的語を同じ格でくくり、他動詞の主語を別の格で示す言語の類型です。
能格言語(のうかくげんご、英語:ergative language)とは、動詞の格標示体系において、自動詞の主語(S)と他動詞の目的語(O)を同じ形(絶対格)で表し、他動詞の主語(A)を別の形(能格)で表す言語の類型です。これは日本語や英語のような主格・対格型(nominative-accusative)言語とは対照的な体系です。
主格・対格型言語では、「走る(自動詞)の主語」と「食べる(他動詞)の主語」を同じ主格で表し、目的語だけを対格(〜を)で区別します。一方、能格言語では発想が逆転しており、
- 絶対格:自動詞の主語(例:「犬が走る」の犬)と、他動詞の目的語(例:「犬を食べる」の犬)を同じ形でくくる。
- 能格:他動詞の主語(例:「ライオンが犬を食べる」のライオン)を別の形で示す。
能格言語の代表例としては、バスク語、チベット語、グルジア語(ジョージア語)、アボリジニ系言語の多くが挙げられます。また、一部の言語では動詞の種類や時制によって能格性と主格性が切り替わる「分裂能格性」も見られます。
能格性の研究は、言語の普遍性と多様性を探る類型論において重要なテーマであり、人間言語がどのような論理でできているかを理解するうえで欠かせない概念です。
使い方・例文
言語学の類型論や文法論の授業で、「能格言語はバスク語が典型例だ」という形で紹介されます。また、日本語と異なる格体系を持つ言語を研究する際に登場する専門用語です。
この用語をシェア
最終更新: