羊背岩とは?
ようはいがん
羊背岩とは、氷河の侵食によって形成された、なだらかな上流側と急峻な下流側を持つ岩丘状の地形です。
羊背岩(ようはいがん)は、氷河地形の一種で、かつて氷河が覆っていた地域に見られる岩盤の丘状地形です。フランス語の「ムトネ(moutonée)」に由来する「ロシュ・ムトネ(roche moutonnée)」とも呼ばれ、その形がまるで羊の背中のように見えることから「羊背岩」の名がつきました。
羊背岩の形成は、氷河の流動方向と密接に関係しています。氷河が岩盤の上を流れる際、上流側(氷河の流れてくる側)は氷河の圧力と融解水による磨食(研磨)を受けてなだらかに削られ、なめらかな曲面を形成します。一方、下流側(氷河の流れ去る側)は氷河が岩盤を引き剥がすようにして侵食するため、急峻で凸凹した崖状の面になります。この非対称な形状が羊背岩の最大の特徴です。
羊背岩の表面には、氷河に運ばれた砂や礫が岩盤を削った際についた擦痕(氷食条痕)が残っていることがあり、これを観察することでかつての氷河の流れた方向を推定することができます。
羊背岩は北欧・カナダ・スコットランド・日本の高山地帯など、かつて氷河に覆われた地域に広く分布しています。氷河時代の気候や地形変化を研究する際の重要な地形指標として、地質学・地形学の分野で活用されています。
使い方・例文
北欧のフィヨルド沿岸や日本アルプスの高地を訪れると、露出した岩盤が上流側はなめらかで下流側が急峻に崩れた羊背岩を観察でき、氷河が削った痕跡を間近に感じることができます。
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