本文へスキップ

生政治とは?

せいせいじ

生政治とは、フーコーが提唱した概念で、近代国家が人口や生命現象を管理・調整することで権力を行使する統治のあり方を指します。

生政治(Biopolitics/ビオポリティーク)は、フランス哲学ミシェル・フーコーが1970年代に提唱した概念です。近代以降の権力が、個人の身体を規律化する規律権力に加えて、人口全体の生命・健康・繁殖・死亡率などを管理・最適化することで行使されるようになったことを指します。

フーコーは権力の様式が近代において大きく変化したと論じました。

  • 古典的な主権権力:「死なせる権力・生かしておく権力」=刑罰・戦争で死を強制できる
  • 近代的な生権力:「生かす権力・死の中に放置する権力」=衛生・医療・保険・統計で生を管理する

生政治の具体的な現れとして、人口統計・公衆衛生政策・優生思想・社会保障制度などが挙げられます。国家が感染症対策・出生率管理・労働力の維持といった形で「生命そのもの」を政治の対象とする現象です。

フーコー以降、アガンベン・ハート&ネグリ・バリバールなどの思想家がこの概念を発展させ、現代の生命倫理・福祉国家・新自由主義・パンデミック対策の分析にも広く応用されています。社会学・政治哲学・医療人類学など幅広い分野で重要な分析概念となっています。

使い方・例文

新型コロナウイルス感染症への対応として各国政府がワクチン接種率・感染者数・死亡率を管理し外出制限を課した一連の政策は、生政治の典型例として分析されています。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語