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本質直観とは?

ほんしつちょっかん

個々の事例を超えて、ある物事の普遍的な本質を直接的に把握しようとする現象学の認識方法です。

本質直観(ほんしつちょっかん、Wesensschau)は、現象学の創始者エトムント・フッサールが提唱した概念で、個別の経験的事例から離れて、そのカテゴリーに属する事物の本質的・普遍的な構造を直接的に「見る」認識の働きを指します。

フッサールは、私たちが赤いものを何度も見るうちに「赤さそのもの」という本質を把握できると考えました。これは経験的な帰納とは異なり、個々の事例を「変化」させていく想像上の操作(自由変更)を通じて、どれほど変えても変わらない不変の核を浮かび上がらせる手続きです。

具体的な手順のイメージとしては次の通りです。

  1. 対象(例えば「音楽」)の多様な事例を思い浮かべる
  2. それらを自由に変形・置き換えながら、何を変えると「音楽ではなくなるか」を確認する
  3. 変えても変わらない不変の特徴が「音楽の本質」として現れる

本質直観は経験科学的な観察とは異なる認識様式であり、数学の真理や論理の法則のように、個別事例に依存しない普遍的な洞察を得ることを目指します。この方法はその後の現象学研究の基礎となり、医学・心理学・教育学などの分野にも応用されました。批判的立場からは、「本質」の把握が主観的にならないかという疑問も提起されています。

使い方・例文

本質直観という考え方は、心理学や看護学の質的研究において、患者の体験の「本質的な構造」を記述する現象学的アプローチの理論的根拠として言及されます。

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