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情念論とは?

じょうねんろん

情念論とは、主にデカルトが著した『情念論』(1649年)に代表される哲学書で、喜び・悲しみ・欲望などの情念(感情)を身体と精神の相互作用として体系的に分析した思想です。

情念論(Les Passions de l'âme)は、ルネ・デカルトが晩年に著した哲学書(1649年刊行)の題名であり、また感情・情念(passion)を哲学的・生理学的に分析する学問的営みを指す言葉でもあります。

デカルトは心身二元論(精神と身体は別個の実体である)を唱えた哲学者として知られていますが、情念論においては精神と身体がいかに相互作用するかを詳細に論じました。デカルトによれば、情念とは「精神が身体によって受ける働き(パッシオン)」であり、受動的に経験されるものです。

デカルトは情念を六つの根本的な情念から導出しました。

  • 驚き(admiration)
  • 愛(amour)
  • 憎しみ(haine)
  • 欲望(désir)
  • 喜び(joie)
  • 悲しみ(tristesse)

これらは松果腺(現代の脳科学でいう松果体)を通じて精神と身体が連絡することで生じると説明されました。デカルトは情念を否定的に捉えるのではなく、理性によって情念を適切に制御・活用することで、情念は善い行動の源泉となりうると論じました。

情念論はスピノザの感情論やカントの感情論への影響など、近代哲学における感情論の出発点のひとつとなり、現代の感情哲学・認知科学における感情研究の先駆的な試みとして評価されています。

使い方・例文

哲学の講義や感情・感情論を扱う書籍の中で、「デカルトの情念論では驚きが根本的情念とされる」といった形で言及されます。

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