塩基対とは?
えんきたい
DNAやRNA中で向かい合う塩基同士が水素結合で対をなす組み合わせで、遺伝情報の安定保持を担います。
塩基対(base pair)とは、核酸(DNAまたはRNA)の二本鎖構造において、向かい合う2本の鎖の特定の塩基同士が水素結合によって非共有的に結合した対のことです。この選択的なペアリングを相補性といいます。
DNAでは、4種類の塩基が以下の組み合わせでペアを形成します。
- アデニン(A)-チミン(T):2本の水素結合
- グアニン(G)-シトシン(C):3本の水素結合(より強い結合)
この塩基対形成がもつ生物学的意義は非常に大きいです。
- 二重らせん構造の安定化:水素結合とスタッキング相互作用が協働してDNA二重らせんを維持する。
- DNA複製の正確性:一方の鎖の配列が鋳型となり、相補的な新しい鎖が合成されるため、正確なコピーが生まれる。
- 転写・翻訳:DNAからRNAへの転写、そしてmRNAのコドンとtRNAのアンチコドンの認識にも塩基対原理が使われる。
塩基対の数は遺伝子や生物のゲノムの大きさを表す単位としても使われます(bp:base pair、kbp、Mbp、Gbpなど)。ヒトゲノムは約30億塩基対(3 Gbp)からなります。
使い方・例文
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)では、熱でDNAの二本鎖を引き離し(塩基対の解離)、冷却してプライマーが相補的に結合する(塩基対の再形成)ことで目的遺伝子を増幅させます。
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