共同体主義とは?
きょうどうたいしゅぎ
共同体主義とは、個人の権利より地域や共同体の価値・絆を重視する政治哲学・社会思想の立場です。
共同体主義(communitarianism、コミュニタリアニズム)とは、個人の自律や権利を中心に置く自由主義(リベラリズム)に対して、人間はそもそも地域・家族・民族・宗教などの共同体の中に根ざした存在であるとし、共同体の絆・伝統・共有価値を重視する政治哲学的立場です。
思想の基盤としては、アリストテレスの「人間はポリス的動物である」という見方や、ヘーゲルの共同体論を源流とする考え方が挙げられます。20世紀後半にはアラスデア・マッキンタイア、マイケル・サンデル、チャールズ・テイラー、マイケル・ウォルツァーなどの哲学者が、ジョン・ロールズの自由主義的正義論を批判しながら共同体主義の議論を精緻化しました。
共同体主義の主な主張点は以下の通りです。
- 自己は共同体から切り離せない「位置づけられた自己(situated self)」である
- 正義や善の概念は普遍的ではなく、その共同体の伝統や文化によって異なる
- 過度な個人主義は社会の連帯・信頼・公共精神を損なう
- 家族・地域・宗教共同体の役割を政策的に尊重すべきだ
現実の政策論では、地域コミュニティの再生、福祉の自助・共助の強調、多文化主義への懐疑などに影響を与えています。ただし保守派にも左派にも取り込まれやすい思想であるため、その適用には幅があります。
使い方・例文
「地域コミュニティの絆を重視した社会政策」や「家族や地域が福祉を担うべきだという議論」は、共同体主義の思想が政策論に現れた例として挙げられます。
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