ブレヒトとは?
ぶれひと
ブレヒトとは、「異化効果」の概念と叙事的演劇理論を確立し、20世紀演劇に革命的な変革をもたらしたドイツの劇作家・詩人です。
ベルトルト・ブレヒト(1898〜1956年)は、ドイツのアウクスブルクに生まれた劇作家・詩人・演出家であり、現代演劇の歴史を大きく塗り替えた人物として世界的に高く評価されています。
ブレヒトが提唱した「叙事的演劇」(エピック・シアター)の中心にあるのは「異化効果(フェアフレムドゥングスエフェクト、Vエフェクト)」の概念です。従来の演劇が観客を物語に感情移入させることを目的としていたのに対し、ブレヒトはあえて舞台の虚構性を露わにし、観客が冷静な批判的眼差しで作品を見られるよう工夫しました。俳優が台詞の合間に直接観客に語りかけたり、プラカードや映像を使ったりするのもその手法の一つです。
代表作には以下のような作品があります。
- 『三文オペラ』(1928年)— 資本主義社会を鋭く風刺した音楽劇
- 『肝っ玉おっかあとその子供たち』(1941年)— 三十年戦争を舞台に戦争の悲惨さを描く
- 『ガリレイの生涯』— 権力と個人の良心の葛藤を問う
- 『コーカサスの白墨の輪』— 母性と所有の倫理を問う寓話劇
マルクス主義的思想の持ち主であったため、ナチス台頭とともにドイツを追われ、スカンジナビア・アメリカと亡命生活を送りました。戦後は東ドイツに戻り、ベルリン・アンサンブルを主宰して演出活動に専念しました。詩人としても優れた作品を残しており、ドイツ語圏の現代詩に多大な影響を与えています。
使い方・例文
演劇の授業や批評で「観客を感動させる演劇」と「考えさせる演劇」の違いを語る際に、ブレヒトの「異化効果」は必ずと言っていいほど引用される概念です。
この用語をシェア
最終更新: