本文へスキップ

フロリゲンとは?

ふろりげん

フロリゲンとは、植物が葉で感知した日長の情報を茎頂に伝え、花芽形成を誘導するシグナル物質のことです。

フロリゲン(florigen)とは、植物の花芽形成(開花)を誘導するシグナル分子のことです。「花(flos)を生む(gen)もの」を意味するラテン語・ギリシャ語合成語で、日本語では「花成ホルモン」とも呼ばれます。

植物の多くは日照時間(日長)を感知して開花時期を制御しています。葉の細胞が特定の日長条件(長日または短日)を感知すると、フロリゲンが生産されて師管(篩管)を通じて茎頂分裂組織へ輸送され、そこで花芽形成のスイッチが入ります。この「葉から茎頂へのシグナル輸送」の概念は、1930年代にロシアの植物生理学者チャイラヒャン(M.Kh. Chailakhian)によって提唱されました。

長年にわたり「フロリゲンの正体」は謎のままでしたが、2000年代以降の分子生物学的研究により、FT(FLOWERING LOCUS T)タンパク質およびその相同遺伝子産物がフロリゲンの実体であることが明らかになりました。シロイヌナズナのFTタンパク質が師管を通じて輸送されることが実験で確認され、長年の謎が解明されました。

農業的な応用として、フロリゲン制御による開花時期の調整や、季節外れの開花誘導が研究されています。稲・トマトなどの主要作物でもFT相同遺伝子が機能していることが確認されており、作物育種への活用が期待されています。

使い方・例文

短日植物であるアサガオは、夜の長さが一定時間を超えると葉でフロリゲンが合成・輸送され、やがて花芽が形成される、という仕組みが植物生理の教科書的な例として挙げられます。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語