トーテミズムとは?
とーてみずむ
トーテミズムとは、特定の動植物や自然物を集団の祖先・守護者として崇める信仰・慣習の体系で、世界各地の先住民社会に広く見られる宗教人類学的概念です。
トーテミズム(英語: totemism)とは、ある社会集団(氏族・クラン・部族など)が特定の動物・植物・自然物(これをトーテムと呼ぶ)と特別な関係を結び、共通の祖先・守護者・象徴として崇拝する信仰体系および社会制度の総称です。「トーテム」という語はアルゴンキン系の先住民語に由来します。
特徴と機能として、トーテミズムには宗教的側面と社会的側面の両方があります。宗教的には、トーテムは聖なる存在として禁忌(タブー)の対象となり、殺したり食べたりすることが禁じられる場合が多いです。社会的には、同一トーテムを持つ集団は同じ祖先を持つとみなされ、集団内での婚姻が禁じられる外婚制と結びつくことがよく見られます。
地域的分布では、オーストラリア先住民・北米先住民・アフリカ・メラネシアなど広範な地域の伝統社会に確認されており、人類学・宗教学における比較研究の重要な対象です。
学術的議論として、エミール・デュルケームは『宗教生活の基本形態』でトーテミズムを宗教の最も原初的な形として分析し、宗教が社会集団の自己崇拝であると論じました。クロード・レヴィ=ストロースはトーテミズムを記号システムとして解釈し、単純な「未開人の迷信」ではなく論理的な思考体系であることを示しました。現代では、トーテミズムを普遍的な単一現象とみなす解釈は見直されつつあり、各文化の文脈に即した理解が重視されています。
使い方・例文
北米先住民の氏族が「鷹の一族」「熊の一族」と名乗り、その動物を神聖視してトーテムポールに刻む慣習がトーテミズムの代表的な例です。文化人類学・宗教学の授業でよく取り上げられます。
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