アンリ・ルソーとは?
あんり・るそー
19世紀末〜20世紀初頭のフランスの画家で、独学のいわゆる「素朴派」として、夢幻的なジャングルや人物画で知られます。
アンリ・ルソー(Henri Rousseau、1844〜1910)は、フランス生まれの画家で、正式な美術教育をほとんど受けずに独学で絵を描いたことから「素朴派(ナイーブアート)」の代表的画家として知られています。パリの税関吏として長年働いたことから「税関吏ルソー(Le Douanier Rousseau)」という愛称でも親しまれています。
ルソーの絵画は、遠近法や解剖学的正確さを意識しない独自の描写が特徴です。その結果、人物や動物が平面的でどこかユーモラスに見えつつも、密度高く細密に描き込まれた植物や光の表現が独特の幻想的雰囲気を生み出しています。特にジャングルを舞台にした連作は、ルソーが実際にはほとんど旅行をしたことがないにもかかわらず、異国情緒あふれる空間を鮮やかに描いた点で注目されています。
代表作としては以下のものが特に有名です。
- 眠るジプシー女:月夜の砂漠でライオンがジプシー女を見下ろす幻想的な作品です。
- 夢:ジャングルの中にソファが置かれ、裸婦が横たわるシュルレアリスム的な作品です。
- 蛇使いの女:月光に照らされたジャングルを舞台にした神秘的な一枚です。
生前のルソーはしばしば批評家から嘲笑されましたが、ピカソやアポリネールなど前衛芸術家たちから才能を高く評価されました。20世紀以降は再評価が進み、現代アートやシュルレアリスムの先駆けとして世界的な地位を確立しています。
使い方・例文
美術史の授業で素朴派やナイーブアートを説明する際、アンリ・ルソーが最初の例として取り上げられます。また「正規の訓練を受けない独学の画家」という文脈で頻繁に言及される人物です。
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