還元主義とは?
かんげんしゅぎ
還元主義とは、複雑な現象や概念をより基本的な構成要素の性質と関係に還元することで説明できるとする科学哲学・方法論上の立場です。
還元主義(reductionism)とは、複雑な系や現象を、より単純・基本的なレベルの構成要素に「還元」することによって完全に説明できると考える立場です。「全体はその部分の総和に等しい」という発想を前提としています。
還元主義には理論的レベルと方法論的レベルがあります。
- 存在論的還元主義:高次の現象は低次の要素で構成される(精神も脳神経の活動に過ぎない)
- 理論的還元主義:高次の理論は低次の理論に置き換えられる(生物学は物理・化学に還元できる)
- 方法論的還元主義:問題を細かく分割して分析するという研究戦略(科学研究の主流手法)
還元主義は近代自然科学の発展に大きく貢献しました。原子・分子のレベルで物質を理解するアプローチや、DNA・タンパク質レベルで生命を理解する分子生物学などがその成果です。
一方で、還元主義への批判として創発(emergence)の概念があります。個々の水の分子は「濡れる」性質を持たないが、大量に集まると濡れるという性質が生じるように、部分の性質から全体の性質が予測できない場合があります。意識・生命・社会現象などは還元主義的説明では捉えきれないと主張するホーリズム(全体論)が対立する立場として存在します。
使い方・例文
「うつ病はセロトニンの分泌不足で説明できる」という議論は還元主義的アプローチの一例ですが、社会的・心理的要因を無視しすぎるという批判も受けます。
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