本文へスキップ

解放の神学とは?

かいほうのしんがく

解放の神学とは、貧困抑圧からの社会的解放をキリスト教信仰の中心に置く神学思想で、20世紀のラテンアメリカで生まれました。

解放の神学(かいほうのしんがく、Liberation Theology)は、社会的・経済的に抑圧された貧しい人々の解放をキリスト教信仰と結びつけた神学的思想運動です。1960年代後半〜1970年代にラテンアメリカのカトリック聖職者・神学者たちによって体系化されました。

解放の神学の出発点となったのは、1968年にコロンビアのメデジンで開催されたラテンアメリカ司教会議(CELAM)での議論と宣言です。グスタボ・グティエレスの著書『解放の神学』(1971年)はこの思想の基礎的文献として世界的に知られています。

主な特徴と主張は以下のとおりです。

  • 貧者への優先的選択:神は貧しい者の側に立つという聖書解釈
  • 社会構造への批判:貧困を個人の問題でなく社会的不正義の結果と見る
  • 実践(プラクシス)重視:神学を行動・社会変革と不可分なものとして捉える
  • 基礎共同体(CEB):草の根の信仰共同体を通じた社会参加

解放の神学はマルクス主義の社会分析手法を取り入れたため、ローマ教皇庁から批判・規制を受けました。一方でラテンアメリカの軍事独裁政権下での人権運動や、アフリカ・アジアの社会運動にも影響を与え、現代神学における重要な潮流の一つに位置付けられています。

使い方・例文

ブラジルの農村地帯で神父が貧しい農民と聖書を読み、土地改革や権利回復を訴える活動を展開する場面は、解放の神学が実践される典型的な例として挙げられます。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語