木口木版とは?
こぐちもくはん
木口木版とは、木材の木口(横断面)を版面として使う版画技法で、精細な線表現が得られる印刷技術です。
木口木版(もくぐちもくはん)は、木材を繊維方向に垂直に切った断面(木口面)を版面として使う凸版画の技法です。一般的な木版画(板目木版)が木の板の縦断面を使うのに対し、木口木版は横断面を用いるため、木の繊維が密に詰まった均一な面が得られます。
主な特徴は次の通りです。
- 精細な表現力:密な木口面は細い線・細点・微妙なグラデーションの彫刻が可能で、銅版画に匹敵するほどの繊細な表現ができます
- 彫刻刀の違い:ビュランと呼ばれる金属の彫刻刀を使って彫ることが多く、板目木版とは異なる道具体系を持ちます
- 使用する木材:ツゲ(黄楊)など年輪が詰まった硬い広葉樹が好まれ、耐久性が高いため大量印刷にも向きます
木口木版は18世紀末にイギリスのトマス・ビューイックが技法を大成し、19世紀には書籍の挿絵・新聞・雑誌の図版複製手段として広く普及しました。写真製版が登場する以前、精密な図を印刷する主要な手段として出版文化を支えた重要な技術です。現代では芸術表現の媒体として版画家が継承しています。
使い方・例文
19世紀の科学書や文学書の挿絵に見られる、人物や風景の精緻な白黒図版の多くは木口木版によって制作・印刷されたものです。
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