排中律とは?
はいちゅうりつ
排中律とは、「命題はその真偽のいずれかが必ず成り立ち、第三の可能性はない」という古典論理学の根本原理のひとつです。
排中律(はいちゅうりつ、英:law of excluded middle)とは、論理学における基本法則のひとつで、「任意の命題Pに対して、PまたはPの否定(¬P)のどちらか一方は必ず真である」という原理を指します。ラテン語では「tertium non datur(第三はない)」とも表現されます。
この法則はアリストテレスが明示的に定式化したとされ、古典論理(二値論理)の基礎をなしています。矛盾律(AかつAの否定は偽)・同一律(AはAである)とともに、古典論理の三大法則のひとつとして数えられます。
排中律は数学の証明手法である「背理法」や「存在証明」に深く関わります。「Pでないと仮定して矛盾を導くことでPを証明する」という間接証明は排中律を前提としています。
ただし、すべての論理体系で排中律が成り立つわけではありません。
- 直観主義論理では排中律を公理として採用せず、証明できない命題の真偽を保留する
- 多値論理・ファジィ論理では真・偽以外の中間値を認める
- 量子論理では量子力学の文脈で修正された論理が使われる
排中律を巡る議論は数学基礎論・哲学的論理学において重要なテーマであり続けています。
使い方・例文
数学の証明で「xが無理数であると仮定して矛盾を示す」という背理法を使うとき、暗黙的に排中律が使われています。論理学や哲学の授業で「古典論理と直観主義論理の違い」を説明する際にも必ず言及される概念です。
この用語をシェア
最終更新: