定窯とは?
じょうよう
定窯とは、中国宋代に河北省曲陽県で栄えた磁器窯で、薄手の白磁と象牙色の釉、そして精緻な陰刻・印花装飾を特徴とする宋代五大名窯のひとつです。
定窯(ていよう、Ding ware)は、中国河北省保定市曲陽県(宋代には定州に属したためこの名がある)を中心に生産された磁器で、宋代の五大名窯のひとつに数えられます。唐代末から操業が始まり、北宋時代(960〜1127年)に最盛期を迎えました。
- 象牙白・乳白色の釉色:透き通る白ではなく、わずかに温かみのある乳白色が定窯の個性です。
- 薄手の精緻な成形:轆轤(ろくろ)技術が高く、薄くて軽い器が作れました。
- 陰刻・印花・划花装飾:白磁の表面に蓮・牡丹・魚・龍などの文様を刻み込む技法が発達し、釉の薄い部分が文様として浮かび上がります。
- 芒口(口縁の無釉部分):定窯は器を逆さに重ねて焼く「覆り焼き」を採用していたため、口縁部に釉がかからず金属の縁取り(釦)を施すものが多くあります。
北宋の宮廷は定窯白磁を愛用しましたが、芒口を嫌って南宋以降は官窯の地位を失ったとも伝えられます。定窯の白磁技術はその後の中国陶磁、さらには朝鮮・日本の白磁にも影響を与えました。日本では「貞窯」と混同されることもありますが、「定窯」が正式な表記です。
使い方・例文
「定窯の薄手白磁に陰刻された牡丹文の皿は、宋代貴族の洗練された美意識を体現するものとして博物館で展示されることが多い」という形で、中国陶磁器の展覧会や解説文で登場します。
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