多倍数体とは?
たばいすうたい
多倍数体とは、通常の生物が持つ染色体セット数(二倍体)より多い染色体セットを持つ個体や種のことです。
多倍数体(polyploid)とは、基本染色体セット(ゲノム)を3セット以上持つ生物のことです。通常の動植物は2セット(二倍体:2n)を持ちますが、多倍数体は3倍体(3n)・4倍体(4n)・6倍体(6n)など、それ以上のセット数を持ちます。
多倍数体には以下の2種類があります。
- 同質多倍数体(autopolyploid):同一種内での染色体倍増によって生じる
- 異質多倍数体(allopolyploid):異なる種間の交雑によって生じ、両親のゲノムをすべて持つ
多倍数体は植物では非常に一般的であり、被子植物の多くは進化の過程で多倍数化を経験したと考えられています。農業上重要な作物にも多倍数体が多く、以下がその例です。
- コムギ:六倍体(6n=42)
- サツマイモ:六倍体
- イチゴ:八倍体
- バナナ:三倍体(種なしになる)
多倍数化によって生物はより大型になる傾向があり、ゲノムの冗長性から適応的な変異が蓄積しやすくなることもあります。一方、動物では多倍数体は生存に不利なことが多く、植物ほど広く見られません。多倍数体は同所的種分化の明確な例の一つでもあります。
使い方・例文
農業や育種の文脈で、種なしバナナが三倍体で繁殖力がないことや、パン用コムギが六倍体であることを説明する際に多倍数体という語が使われます。
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