ヴェルニ・アン・レトゥシュとは?
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ヴェルニ・アン・レトゥシュとは絵画の補彩・修復の際に部分的に塗布するニスで、色調の統一と保護に用いられる絵画技法の用語です。
ヴェルニ・アン・レトゥシュ(vernis à retoucher)は、フランス語で「補彩用ニス」を意味し、絵画の修復・補彩作業において使用される揮発性のニスです。主に油彩画の制作途中や修復の際に、描き足しを行う部分へ下塗りとして使用されます。
油彩画では、下層の絵の具が乾燥・収縮する際に表面が沈んで「沈み込み」(シンキング)と呼ばれるマット化現象が起きることがあります。ヴェルニ・アン・レトゥシュは、その部分に薄く塗布することで本来の色艶を一時的に回復させ、描き加える色が既存部分と正確に合うよう視覚的に整える役割を果たします。
素材としては、ダンマル樹脂やマスチック樹脂を揮発性溶剤(テレビン油など)に溶かしたものが一般的です。揮発性が高く、塗布後すぐに乾燥するため、作業の邪魔になりにくい特性があります。
修復の現場では、部分補彩(レトゥシュ)の前処置として欠かせない材料のひとつであり、色調を正確に見極めながら作業するための重要なツールです。また、完成後に塗布する最終ニス(フィニッシュニス)とは目的と性質が異なります。
使い方・例文
絵画修復の授業や保存修復士の実務で「沈み込んだ箇所にヴェルニ・アン・レトゥシュを塗ってから補彩する」のように使われます。
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