ハビタット断片化とは?
はびたっとだんぺんか
ハビタット断片化とは、道路や農地などの開発によって生物の生息地が小さな孤立した断片に分断され、野生生物の生存や移動が困難になる現象です。
ハビタット断片化(habitat fragmentation)は、もともと連続していた生物の生息地(ハビタット)が、道路建設・農地造成・市街地拡大などの人間活動によって複数の小さなパッチ(断片)に分断される現象です。生物多様性の危機を招く最も主要な要因の一つとされています。
断片化がもたらす問題は次のように整理できます。
- 個体群サイズの縮小:孤立した小面積では維持できる個体数が減り、近親交配・遺伝的多様性低下が起こる
- エッジ効果:断片の縁(エッジ)では風・光・気温が内部と異なり、外来種や捕食者が侵入しやすい
- 移動・分散の阻害:個体群間の遺伝子交流が途絶え、局所絶滅後の再定着ができなくなる
- 最小存続可能個体群を下回るリスク:各断片の個体数が絶滅確率が急増する閾値を下回りやすい
対策として、断片間をつなぐ「グリーンコリドー(生態系回廊)」の設置、道路下に設ける野生動物専用トンネル(アンダーパス)、土地利用計画での緑地網の確保などが実施されています。島嶼生物地理学の理論(マッカーサー&ウィルソン)はこの問題の理論的基盤となっており、保全生物学の中心的課題として研究が続いています。
使い方・例文
高速道路の建設によって森が分断され、タヌキやシカが道路を越えられなくなることがハビタット断片化の典型例です。この対策として設けられる野生動物専用の橋(グリーンブリッジ)も各地で整備されています。
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