ナポリの六とは?
なぽりのろく
ナポリの六とは、西洋音楽の和声法における和音の一種で、短調の第II音を根音とする長三和音を第一転回形にした、独特の柔らかく表情豊かな響きを持つ和音です。
ナポリの六(ナポリのろく、Neapolitan sixth)とは、西洋音楽の機能和声において用いられる特殊な和音で、短調における第II度音(スーパートニック)を半音下げた音(♭II音)を根音とする長三和音を、第一転回形で使用したものです。
たとえばイ短調(a moll)の場合、第II度はシ(B)ですが、それを半音下げたB♭を根音とするB♭-D-Fの長三和音を第一転回形(D-F-B♭)にしたものがナポリの六となります。第一転回形を用いるため「六の和音」と呼ばれ、その特徴的な♭II度の音からナポリの和音(ナポリ和音)とも呼ばれます。
この和音の特徴は以下の通りです。
- 短調の主和音や属和音への解決前に置かれ、独特の「陰り」「悲嘆」「哀愁」を生み出す
- 優れた半音進行を伴い、滑らかな声部進行が可能
- バロック末期から古典派・ロマン派にかけて広く用いられた
「ナポリ」という名称は、イタリアのナポリ楽派(18世紀)の作曲家たちがこの和音を多用したことに由来するとされますが、実際にはナポリ楽派以前から使用例があります。バッハ、ハイドン、モーツァルト、シューベルトなど多くの作曲家がナポリの六を効果的に使用しており、特に悲しい情感や劇的な転換点に置かれることが多い和音です。
使い方・例文
音楽理論の授業で「この短調の曲に出てくる♭II度の和音」として分析されます。楽曲解説では「ここでナポリの六を使うことで、切なさが一層増している」といった形で登場します。
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