トチの実とは?
とちのみ
トチの実とは、トチノキ(栃の木)が実らせる大型の種子で、古くから日本各地でデンプン源として食用に利用されてきた伝統的な食材です。
トチの実は、ムクロジ科(旧ヒポカスタナム科)の落葉高木であるトチノキ(Aesculus turbinata)の果実の中にある種子です。直径3〜5センチメートルほどの丸みを帯びた形で、秋に熟すると光沢のある茶褐色になります。
トチの実にはデンプンが豊富に含まれていますが、同時にサポニンやタンニンなどのアク成分も多く含まれており、そのままでは苦みが強くて食べられません。そのため、食用にするには「アク抜き」と呼ばれる工程が不可欠です。一般的なアク抜きの手順は以下のとおりです。
- 実を乾燥させて殻をむく
- 熱湯に浸してやわらかくする
- 木灰(または重曹)を使ったアルカリ水に数日間さらす
- 流水で繰り返しすすぐ
アク抜きを終えたトチの実は「トチ餅」や「トチ飯」として加工され、山村地帯では米の代替主食として重要な役割を果たしてきました。特に東北・北陸・中部地方の山間部では縄文時代から食用の記録があり、飢饉のときの貴重な食料源でもありました。
現在でもトチ餅は郷土食として親しまれており、ほのかな苦みとモチモチした食感が特徴です。また、ヨーロッパのマロニエ(西洋トチノキ)の実と近縁ですが、食用としての利用はトチノキのほうが盛んです。
使い方・例文
「山村の道の駅でトチの実を使ったトチ餅が販売されており、独特のほろ苦さとモチモチ感が楽しめた」のように、郷土食や伝統食の文脈で登場します。
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