クリス・マルケルとは?
くりすまるける
クリス・マルケルは、フランスの映画監督・写真家で、エッセイ映画というジャンルを切り開き、記憶・時間・歴史をテーマにした独自の作品で20世紀映像文化に多大な影響を与えた人物です。
クリス・マルケル(Chris Marker、1921〜2012年)は、フランスの映画監督・写真家・マルチメディア作家です。本名をクリスチャン=フランソワ・ブーシュ=ヴィルヌーヴ・ジュネといい、その謎めいた経歴と本名を明かさないスタンスから「映画界のスフィンクス」とも呼ばれました。
マルケルが現代映像文化に与えた最大の影響は、「エッセイ映画(film-essai)」というジャンルの確立です。ドキュメンタリーでもフィクションでもなく、映像・テキスト・ナレーションを組み合わせて思考そのものを映像化するこの手法は、彼の代表作を通じて後続の映像作家に広く受け継がれました。
主要な代表作は次のとおりです。
- 『ラ・ジュテ(La Jetée)』(1962年)— スチル写真のみで構成された28分の短編SF。記憶と時間をめぐる物語は後にテリー・ギリアムの『12モンキーズ』の原型となった
- 『サン・ソレイユ(Sans Soleil)』(1983年)— 日本とアフリカを旅しながら記憶と現代文明を省察するエッセイ映画の傑作
- 『アレクサンドルの墓(Le Tombeau d'Alexandre)』(1992年)— ソ連崩壊をめぐる歴史的考察
晩年はCD-ROMやインターネットなどの新しいメディアにも積極的に取り組み、デジタル時代の映像表現の先駆者としても知られています。マルケルの作品は、映画・写真・文学・哲学の垣根を超えた20世紀映像文化の結晶といえます。
使い方・例文
映像エッセイやドキュメンタリーの歴史、あるいはSF映画の起源について調べるとき、クリス・マルケルの名と『ラ・ジュテ』は必ずといってよいほど言及されます。
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