アッバス・キアロスタミとは?
あっばすきあろすたみ
アッバス・キアロスタミとは、イランを代表する映画監督で、詩的な映像と哲学的なテーマで世界の映画界に革命的な影響を与えた20世紀の巨匠です。
アッバス・キアロスタミ(Abbas Kiarostami、1940〜2016)は、イラン・テヘラン出身の映画監督・脚本家・詩人・写真家です。イラン映画の国際的な地位を確立した最も重要な人物であり、「映画の詩人」とも称されるその作風は、世界の映画界に計り知れない影響を与えました。
キアロスタミ映画の際立った特徴は、現実と虚構の境界を意図的に曖昧にする手法です。ドキュメンタリーと劇映画の境界を溶かし、素人俳優や実際の場所・出来事を活用することで、映画という媒体そのものについて観客に問いかける「メタ映画的」な構造を持つ作品を多く残しました。また、長回しや車内からの撮影など、独特の映像技法も多くの後継監督に影響を与えています。
代表的な作品には以下があります。
- 「友だちのうちはどこ?」(1987年)― 子どもの純粋な誠実さを描いたロードムービー的作品
- 「そして人生はつづく」(1992年)― 大地震後のイランを旅する作品
- 「桜桃の味」(1997年)― カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作
- 「風が吹くまま」(1999年)― カンヌ審査員特別賞受賞
詩作・写真・絵本など映画以外の表現活動にも取り組み、芸術家としての総合的な深さでも評価されています。2016年に世を去るまで創作を続けた、20世紀末を代表する映画作家の一人です。
使い方・例文
「アッバス・キアロスタミの作品は、フィクションとドキュメンタリーを溶け合わせた独特の映画体験で知られる」のように映画論や世界映画の文脈で取り上げられます。
この用語をシェア
最終更新: