アタッチメント理論とは?
あたっちめんとりろん
アタッチメント理論とは、乳幼児が特定の養育者との情緒的な絆を形成し、それが生涯の人間関係の基盤となるという発達心理学の理論です。
アタッチメント理論(attachment theory)は、イギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが1960〜80年代にかけて構築した発達心理学の理論です。人間の乳幼児は、危機や不安を感じたときに特定の養育者(主に母親)に近接しようとする生得的な傾向を持っており、この絆を「アタッチメント(愛着)」と呼びます。
ボウルビィはアタッチメントを進化的な適応として捉え、養育者との近接が幼児の生存を高めるために進化した行動システムだと論じました。乳幼児は養育者を「安全基地」として使い、そこを拠点に環境を探索します。養育者が敏感に応答するかどうかが、アタッチメントの質を左右します。
発達心理学者メアリー・エインズワースは「ストレンジ・シチュエーション法」という実験で子どものアタッチメントのパターンを分類しました。
- 安定型:養育者との分離に一時的な苦痛を示すが、再会で速やかに落ち着く
- 不安回避型:分離・再会に感情をほとんど示さない
- 不安アンビバレント型:分離で強い苦痛を示し、再会後も落ち着かない
- 無秩序型:一貫した対処パターンがなく、混乱した行動を示す
アタッチメント理論は、幼少期に形成された内的作業モデル(養育者・自己・対人関係についての心的表象)が青年期・成人期の対人関係スタイルや精神的健康に影響するとも提唱しています。現代の臨床心理学・保育・教育政策に広く応用されている重要な理論です。
使い方・例文
保育園に子どもを預ける際、最初は泣いていた子どもが慣れてくると保育士を「安全基地」として遊びに出かけられるようになります。これはアタッチメント理論が示す安定した愛着形成の典型的な姿です。成人の恋愛関係や友人との関わり方にも幼少期のアタッチメントスタイルが影響するとされています。
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