阿部公房とは?
あべこうぼう
安部公房は、戦後日本を代表する前衛的な小説家・劇作家で、不条理とアイデンティティの喪失をテーマに独自の実験的文学世界を築いた人物です。
安部公房(1924〜1993)は、東京生まれで旧満州(現・中国東北部)で育った小説家・劇作家で、実存主義・シュルレアリスム・カフカ的不条理文学の影響を受けながら、独自の「日本の前衛文学」を確立しました。
1951年に『壁―S・カルマ氏の犯罪』で芥川賞を受賞してデビュー後、人間のアイデンティティや社会的な役割の喪失・解体をテーマにした作品を次々と発表しました。代表作『砂の女』(1962年)は砂穴に閉じ込められた男の不条理な状況を描いた傑作で、英訳が米国で高い評価を受け、安部公房の国際的名声を確立しました。
他にも『他人の顔』(1964年)、『箱男』(1973年)など、顔・名前・存在感の喪失をモチーフにした実験的な作品を多数残しています。また劇作家としても安部公房スタジオを主宰し、前衛演劇の分野でも大きな足跡を残しました。
ノーベル文学賞の有力候補とも目されながら1993年に急逝しました。その作品は現在も英語・フランス語など多くの言語に翻訳されており、世界的に読まれ続けているカフカ以後の傑出した文学者の一人です。
使い方・例文
「安部公房の『砂の女』は、不条理な状況に置かれた人間の実存を描いた作品として、世界各国の文学の授業でも取り上げられる」のように、前衛文学や実存主義の文脈で登場します。
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