資産除去債務とは?
しさんじょきょさいむ
資産除去債務とは、有形固定資産を将来撤去・解体・原状回復する義務が法令や契約で生じている場合に、その将来費用を現在価値に割り引いて計上する負債です。
資産除去債務(しさんじょきょさいむ、Asset Retirement Obligation:ARO)とは、有形固定資産の取得・建設・使用に際して、将来その資産を除去(撤去・解体・原状回復など)する法律上または契約上の義務が存在する場合に、その将来の支出見込額を割引現在価値で算定して計上する負債です。日本では2010年施行の「資産除去債務に関する会計基準」(企業会計基準第18号)により処理方法が定められています。
資産除去債務が発生する代表的な場面は以下の通りです。
- 建物・工場を借りた際の原状回復義務(賃貸借契約に基づく)
- 石油・ガスの採掘設備など環境関連法令による撤去義務
- アスベスト含有建材の除去義務
- 原子力発電設備の廃炉費用
会計処理は「資産負債の両建て計上」が基本です。除去費用の現在価値を負債(資産除去債務)として計上すると同時に、同額を関連資産の取得原価に加算します(資産計上)。その後、資産計上された除去費用相当額は資産の耐用年数にわたって減価償却し、負債は時間の経過とともに利息費用(時間価値の巻き戻し)を加算していきます。
この会計基準の導入により、財務諸表に将来の撤去コストが明示されるようになり、企業の実態に即した財務情報の開示が可能となりました。
使い方・例文
小売チェーンが商業施設に10年間の定期借家契約で出店する際、退去時に内装を原状回復する義務があれば、その見込み費用を割り引いた金額を「資産除去債務」として契約時に計上します。不動産・エネルギー・製造業の財務諸表でよく見られる負債項目です。
この用語をシェア
最終更新: