認知的評価理論(ラザルス)とは?
にんちてきひょうかりろん
認知的評価理論(ラザルス)とは、感情はできごとの客観的な性質ではなく、個人がそのできごとをどう意味づけるかという認知的評価によって生じるという、心理学者ラザルスが提唱した感情・ストレス理論です。
認知的評価理論(Cognitive Appraisal Theory)は、アメリカの心理学者リチャード・ラザルス(Richard S. Lazarus)が提唱したストレスおよび感情の理論です。1966年の著書『心理的ストレスと対処プロセス』で体系化され、後に共同研究者スーザン・フォルクマンとともに精緻化されました。
この理論の核心は、同じできごとに直面しても、人によってまったく異なる感情を抱く理由は「認知的評価」の違いにある、という主張です。評価は主に二段階で行われます。
- 一次的評価(Primary Appraisal):そのできごとが自分にとって無関係か、好ましいか、脅威・損失・挑戦か、を判断する。
- 二次的評価(Secondary Appraisal):自分にその状況に対処できるリソース(能力・サポートなど)があるかを評価する。
これら二つの評価が組み合わさって、不安・怒り・悲しみ・喜びなどの具体的な感情が生まれるとされます。たとえば、同じ「人前でのスピーチ」でも、経験豊富な人は「挑戦」と評価して期待感を抱き、不慣れな人は「脅威」と評価して不安を感じます。
この理論はストレスマネジメントや認知行動療法の基盤として広く応用されており、感情は受動的に生じるものではなく認知によって能動的に構成されるという現代感情心理学の主流的見解を支える重要な枠組みです。
使い方・例文
職場での急な仕事の依頼を「自分への信頼の証」と評価すれば意欲が湧き、「負担の押しつけ」と評価すれば不満や怒りが生じるという例が、この理論の典型的な説明として用いられます。
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