本文へスキップ

自由間接話法とは?

じゆうかんせつわほう

自由間接話法とは、語り手の視点と登場人物の内面・発話を融合させた独特の叙述技法で、直接話法でも間接話法でもない中間的な形式です。

自由間接話法(じゆうかんせつわほう、Free Indirect Discourse / Free Indirect Style)は、小説などの叙述において、語り手の言葉と登場人物の思考・感情・発話が一体化した文体技法です。直接話法(「私は行く」と彼女は思った)でも間接話法(彼女は行くと思った)でもなく、その中間に位置します。

日本語の例で示すと、「翌朝、彼女は目を覚ました。なんと美しい朝だろう。今日こそ彼に会いに行くのだ」という文章において、後半部分は語り手が語っているのか登場人物の心内語なのか区別がつきません。これが自由間接話法の特徴です。

この技法の主な効果は次のとおりです。

  • 読者が登場人物の内面に深く入り込める
  • 語り手の介在を感じさせずに心理描写ができる
  • 語り手と人物の視点が重なることで、皮肉・共感・距離感を微妙に表現できる

ジェーン・オースティンがこの技法の先駆者として高く評価され、『高慢と偏見』などの作品で繊細な心理描写を実現しました。その後フローベール、ジョイス、ウルフらの近代小説にも深く浸透し、現代文学の基本的な語りの技法となっています。

使い方・例文

「なぜ彼は来なかったのだろう。きっと自分のことなど気にしていないのだ」という文で語り手と人物の視点が溶け合っているのが自由間接話法の典型例です。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語