罪刑法定主義とは?
ざいけいほうていしゅぎ
罪刑法定主義とは、どのような行為が犯罪となり、どのような刑罰が科されるかを事前に法律で定めなければならないという刑事法の大原則です。
罪刑法定主義とは、「法律なければ犯罪なく、法律なければ刑罰なし(nullum crimen, nulla poena sine lege)」というラテン語の原則に由来する刑事法の基本原理です。日本国憲法第31条および第39条に規定されており、近代法治国家における刑法の根幹をなします。
この原則が要請する主な内容は以下のとおりです。
- 成文法主義:犯罪と刑罰は慣習法ではなく成文の法律によって定められなければならない
- 明確性の原則:法律の内容は何が犯罪かを国民が理解できる程度に明確でなければならない
- 類推解釈の禁止:法律に定めのない行為を類推によって犯罪とすることは許されない
- 遡及処罰の禁止:行為時に犯罪でなかった行為を後に制定した法律で処罰してはならない
罪刑法定主義は、国家権力による恣意的な刑事罰から市民の自由を守るための安全装置として機能しています。この原則がなければ、権力者が自己に不都合な行為を後から犯罪と定めて処罰することが可能になってしまいます。
歴史的には、絶対王政下での恣意的な刑罰への反省から啓蒙思想の中で発展し、フランス革命期の人権宣言などを経て近代刑法の柱となりました。現代においても人権保障の観点から不可欠な原則です。
使い方・例文
罪刑法定主義は刑法の教科書・試験で必ず登場する基本原理です。例えば「道徳的に悪いことであっても、法律で禁止されていなければ犯罪にはならない」という命題はこの原則を端的に示しています。新たな犯罪類型を設けるには必ず議会が法律を制定する必要があります。
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